ほんまかいな~?シリーズ③ ~滝の上からダイビングのはて…の巻~

 それは、私が大阪に来た最初の年、お盆の帰省時の出来事。 新潟県にある私の故郷は東にそびえ立つ五頭連邦(標高約950m台)の山麓までそう遠くない。 友人達と『魚止めの滝』で遊ぼうか?という事になる。
 滝といえばマイナスイオンがいっぱい、居るだけで気分が爽快に!。川の水は地中からしみ出たばか…しかも流水で冷たいのもの。15~20度ぐらいと思える。水に入れば10分間程でもうスッキリとし暑さ解消、爽快な気分に…たとえ長時間かけてやって来ても、到着30分後には”もう帰ろうか”と言う気分になるくらいサッパリとするのだ。滝ともなれば、さらに水温は低い。

 新潟県北蒲原郡笹神村(現 阿賀野市)に『新潟県県民の森』と呼んでいましたが、現在は新潟県の五頭連峰県立自然公園と言うそうです。その一角に『魚止めの滝』があります。 
 ご存じの様に新潟県は『弁当忘れても、傘は忘れるな』という鉄則があるくらいです、それくらい雨が多いので、高さは8~10メートルぐらいの滝ですが『ドドーッ』という轟音と共にすざましい水量が滝壺へ叩きつけられています。 箕面の滝の数倍もあろうかという迫力! その滝壺の中心…いかにも深そう~怖そう。その下流には、小さな滝の様な段差の渓流が始まりいくつもの池のように川が連なっている。

 

 さてこの周辺でしばらく遊んだ後、私はここでパフォーマンスをやることにした。最も大きな8メートルの滝の頂上からの爽快なるダイビングだ! 皆に『とびこむぞ~!』の声をかけをした。

実は先程述べたとおり、中心はあまりにも深く且つ怖そうなので、少しだけ飛び込みを滝の横にめがけて…ためらうこともなく一気にダイビング⇒ヒユーーと滝つぼにめがけ一直線!ところが、ガシッと鈍い音?何故どして…?…今までこんな水音は聞いたことがない! 

 ドボーンでなく何で? な、なんと私の頭が滝の底に突き刺さり一瞬逆立静止状態に!…(体操選手の逆立ちの様に静止)…勿論すぐに立ち上がりましたが、直後に目を疑う現実…それはもうビックリ!…立ち上がってみたらこのとおりです。 な、なんと水面から川底まで30㎝ぐらいしか無いではありませんか!…ゾーッ、この上ないゾーッ!

 私の飛び込んだ場所の水深予想は深さが少なくとも2メートルはあるはずだった・・・。予想より遙かに・・・滝壺は深いのだが非常に狭い範囲だけがえぐれた滝壺だったのだ! 振り返ってみると、飛び込みとは『ドッボーン!』というが正規の音、それが『ガシッ』だと、水しぶきも無く頭が突き刺さる様子は、どう見ても飛び込みの域を外れている、もはや落下か転落に近い!…いや転落そのものだった!。

まあ幸い飛び込んだ所が一面砂と細かい砂利だったので、出血もなくそんなに頭も痛くはないようなので良かったものの、本当に命拾いをしました。 とりあえずこれで済んで良かった!と胸を撫で下ろしたのだ。

 ところがどっこい!やっぱり、世の中そんなに甘くはなかった。帰阪予定だった翌朝、起床後洗顔して気づく…何か当たるではないか?…触ると痛みがある!おそるおそる鏡をのぞき込む…鏡には、な、なんと丁度、眉間(みけん)のところに『でかい~!…りっぱなタンコブ!~』…同じ立派でも、こういう立派は私は嫌いだ!

 こう見えても人目を気にする18歳だ! いくらなんでもこのままではあまりにもカッコ悪い。 サロンパスを貼ろうとも考えたが、いずれにしてもカッコの悪いことに変わりなし~、いやさらにカッコ悪いかも~?人に笑われるかも~? で、結局は何をやって隠そうともあまり変わらない事に気づき、悩んだあげく出した結論は『2、3日帰る日を遅らす』という作戦を企てた。

 さて待ったなしの帰阪当日、当然だがたった2、3日ぐらいでは、千昌夫の数倍の大きさのタンコブはそんなに小さくなっているはずがないのだ(残念)…しかし帰らないわけにもいかない。(今考えると、反応が全部出る前のその日に帰るのが、結局一番目立たなかったのかも~?) 私は人との視線をなるべくなるべく合わせないように「さっ」と、列車に飛び乗り、さらにその後の座席でも視線を合わないよう「さっ」と向こうに…ポーカーフェイスを装う~視線は窓の外へ…まるで何かの犯人のようだ…なんだかんだでなんとか帰阪。

(教訓)○何事も下調べが肝心。思い込みだけの行動はつつしむべき、いや思わぬ危険性がある!
(追伸)その後、『滝の飛び込みをまねる人は』、誰一人、いなかった事を付け加えておきます。

【備考】魚止めの滝
※最寄り駅からのアクセス=JR羽越本線水原駅より、車で20分。
※最寄りICからのアクセス=磐越道、安田ICに降りて、車で25分。滝のすぐ近くに無料駐車場あり。
詳細な問い合わせ=新潟県阿賀野市観光課=0250-62-2510

『ほんまかいな~シリーズ』は、月1~2回の頻度でホームページのバラエテイブログに掲載中