2024/04/11
ほんまかいな 58 歯のお話パートⅡ の②
~波と共に去りぬ…~
以前ほんまかいなシリーズの・・・第4話で「逃げないで!私の歯」を掲載しました。
・・・高1の頃、全く無言で何の説明もなく前歯を切断され、術後鏡を見てビックリ・・・
それで「差し歯人生」を歩む事と相成った。
(詳細は、第4話を読みください)
さらにその歯でこんな事も…。
この事件当時は、西梅田の鍼灸院が立退きとなり、次ぎの店舗物件が思うように見つからず、
不動産屋さんに店舗探しを依頼するも、結果数年間はある紹介により整骨院の助手をしていた頃だった。
(…この先生とは、後に大親友となる)
夏真っ盛り。院のスタッフ達と若い女性患者さんグループ達で、
鳥取へ海水浴の日帰り海水浴に行こうという事にあいなった。
ところが、その数日前から台風が発生、進路予想がどんどん鳥取に焦点を合わしてきた…
そしてついにドンピシャに鳥取の海水浴場が通過点に…。
心配になったスタッフが深刻な顔でいう
”くれい先生、雨と強風ですよ、どうします~?”
私は ”いやいや、大丈夫~大丈夫~!私はどこへ行っても晴れ男だから!”
とは言ったものの、内心少し不安。
さて当日、海岸に到着すると、雨は殆ど降っていない。
ただ、強風で舞い上がった砂が体に当たりかなり痛い、波も感動の大迫力。
でも、遠浅なので沖に行かなければ…
それに、海の中に入れば暖かく感じる。
さて、海岸線に目をやると、さすがに人もまばら…
というより長い海岸を私達が独占状態。
こんな事はなかなか経験できない。(天の声=たしかに…)
しばらく波と戯れ、”さあ、もう帰ろうか~”という声が聞こえる。
海はこんな状態だ…長居は無用だ。
海からあがった体からは海水がしたたり落ちる…
裸足で砂浜を歩く感触は、とても気持ちが良いものだ。
その時、院長が私に向かって唖然とした顔で言い放った。
”くれいさん…歯は?” ”えっ?ハ~?”
直後に”ハッ”と口の違和感に気づいた。
なんと前歯が無くなっているではないか!
さすがの男前も歯が無いと、どんな情けない顔になるか知っている。
特に今回は、ギャル達の前だ!このみっともなさこの上なし!
サッと口の前に手をかざし「オホホのポーズ」を選択。
これを男性がやるととても異様だが、しないよりまだマシだ。
かくして私の歯は、「風と共に去りぬ」…ではなく「波と共に去っていった」
荒波に誘拐され、広大な日本海へ旅だって二度と戻らない。
この悲しみは、北朝鮮のあの事件を彷彿させる…。
(くれいさん、おおげさ…!)
さてその後、オホホのポーズをした人を先頭にした一行は、
近くの温泉施設で海水を落とす。
”ああ・・・さっぱりした~やはり温泉はいいもんだ”…
と、そこへ流れ来る「都はるみ」の曲。
♪さよ~なら さよな~ら 元気で~いいて~…♪
そのタイムリーな曲は「オホホ」の私にだけに語りかけていた。
(ジャジャじゃ~ん♪=ベートーベン)
こんな経験をする奴は、まずいない!
そして、これからもまずいない!
皆さんがこの先もしもだが・・・
鳥取の海水浴場に行き、砂遊びや潮干狩りなどをした際、
偶然貝殻と共に「さし歯」を見つけたら・・・
それは、おそらく数十年前の
「あの、くれいさんの歯」に違いない。
( AIがはじき出したその確率は95%… )
いつかあなたに、”これは、確か~あの時の~「くれいさん」の~”と…
そんな思いを馳せる・・・ドラマチックな出会いが…訪れるかも…?・・・ないか!
以上、実録「歯が無しの、お話」でした。